低ナトリウム血症と高ナトリウム血症

2010年06月20日 02:22

・低ナトリウム血症がみられた場合(135mEq/l以下)
腎臓は通常1~1.5l/hまでの水分摂取に対して、ADHの分泌抑制により体液浸透圧の低下を防ぐことができます。血清浸透圧の低下を伴う真性低ナトリウム血症の場合は、次の3型に分類されます。
1)細胞外液量の減少を伴う低ナトリウム血症:ナトリウムの摂取不足かナトリウムの喪失が水の喪失を上回る場合(高度の発汗、腹水など)

2)細胞外液量の増加を伴う低ナトリウム血症:体内ナトリウム量の増加を上回る水の貯留によるもので浮腫を伴う。
3)細胞外液量の変化しない低ナトリウム血症:体内ナトリウムの増減はなく水の貯留によっておこり浮腫を認めないもの。
・ナトリウム濃度と症状
120~130mEq/l:軽度の虚脱感や疲労感が出現
110~120mEq/l:精神錯乱、頭痛、悪心、食思不振
110mEq/l以下:痙攣、昏睡

・高ナトリウム血症がみられた場合(145mEq/以上)
高ナトリウム血症はナトリウム過剰摂取、もしくは水の欠乏によっておこる他、視床下部の器質的な病変により浸透圧調節系が障害される本態性高ナトリウム血症も存在します。
下痢、嘔吐、発汗、本態性高ナトリウム血症、中枢性・腎性尿崩症、糖質・鉱質コルチコイド過剰、高張食塩水負荷時 など


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