クロール Cl ミネラル 臨床検査

2010年06月20日 17:20

クロール Cl は、生体内に体重1kgあたり約35mEq程度で、NaとともにNaClとして大部分細胞外液中に存在します。他の電解質との相互関係のもとに水分平衡、浸透圧の調節・酸塩基平衡の調節などに重要な役割を果しています。

また、Cl・重炭酸塩移動といわれる調節機構が働いておりClイオンが減少するとHCO3-が増加し、Clイオンが増加するとHCO3-が減少して陰イオンの総和を一定に保つようになっています。水・電解質代謝異常や酸塩基平衡障害が疑われるときには、血清および尿中クロール濃度の測定は不可欠です。
基準値:98~108 mEq/l
・高値を示す病態
高張性脱水症、尿細管性アシドーシス、呼吸性アルカローシス、Clの過剰投与

・低値を示す病態
嘔吐、胃液の吸引、利尿剤投与、ミネラルコルチコイドまたはグルココルチコイド過剰症、低張性腹水、SIADH(ADH分泌異常症候群)、代謝性アルカローシス、呼吸性アシドーシス、向精神薬の長期投与


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