浸透圧 高ナトリウム血症 低ナトリウム血症

2010年06月20日 02:07

血清 浸透圧 は体液の濃縮・希釈の動態に密接な関係があり、水分摂取や尿濃縮能を反映し、尿量、発汗量により調節されます。浸透圧は口渇による水分摂取と抗利尿ホルモン(ADH)を介した尿量により調節されます。水分摂取量が少ないと、体液量の減少により浸透圧が上昇することでADHの分泌が亢進します。

これにより尿細管の水分再吸収が促進され、尿は少量となり濃縮されて尿浸透圧は上昇、血清浸透圧は低下します。 血清浸透圧の測定は、主に血中ナトリウムの異常やADH分泌異常、腎における尿の希釈や濃縮能異常の原因究明に用いられます。
基準値:270~295 mOsm/l
高値を示す病態:高ナトリウム血症(中枢性尿崩症、脱水によるものなど)、高血糖、糖尿病性昏睡、激しい下痢、発汗、高窒素血症、高尿酸血症、ナトリウム過剰摂取 など
低値を示す病態:低ナトリウム血症(SIADH、浮腫)、浸透圧利尿、甲状腺機能低下症、Na摂取不足

・血清中の浸透圧は、Na、Kと血中尿素窒素(BUN)、血糖値(Glu)からおおよそ次式により概算されます(あてはまらない例:著しい高血糖や高脂血症、高ガンマグロブリン血症など)。
血清浸透圧=2(Na+K)+BUN/2.8+Glu/18
(電解質の単位はmEq/l、GluとBUNはmg/dl)


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