lap LAP ロイシンアミノペプチダーゼ 臨床検査

2010年05月05日 17:54

LAP はペプチドのN末端にロイシンが存在する場合、これをペプチド鎖から切断する役割を持つ酵素です。LAP は他のペプチダーゼ同様に、さまざまな臓器や胆汁中などに広く分布します。胆汁うっ滞に際して血中に増加するため、ALPγ-GTPなどとともに胆道系酵素と呼ばれます。そのために黄疸の鑑別や肝・胆道系疾患の診断や経過観察などによく用いられています。

LAP は、肝癌や肝腫瘍でも高値になり、悪性腫瘍による閉塞性黄疸や転移性肝癌では著明に増加します。またγ-GTPと共に薬物性・アルコール性肝障害により上昇しますが、γ-GTPと比較すると軽度といわれています。
胎盤由来のオキシトキナーゼの影響により妊娠後期にはLAPが上昇します。またLAPは、ペプチドホルモンの分泌・代謝に関連があるため副甲状腺活性が高い成長期には軽度高値をみることがあります。
基準値:23~50 IU/l
高値を示す病態:急性・慢性肝炎、肝硬変、肝細胞癌、限局性肝病変、閉塞性黄疸、胆道系疾患、薬剤性肝障害、リンパ腫、白血病 など
低値を示す病態:低値側の臨床的意義は少ない


カテゴリ:検査項目 疾患 KLNMO

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