フェリチン 鉄の貯蔵

2010年05月31日 01:23

フェリチンは、鉄を細胞内に貯蔵し、トランスフェリンとの間で鉄のやり取りを行なって、血清鉄の値を適切に維持することです。一般にフェリチン1ng/mlは鉄8~10mgに相当するといわれています。
血中フェリチン濃度低下の原因でもっとも一般的なのは鉄欠乏です。正常成人の鉄貯蔵量はおおよそ1,000mgですが、貯蔵鉄の減少と共にフェリチンも減少します。逆に鉄過剰状態でフェリチンは増加し、フェリチン鉄が凝集して不溶性のヘモジデリンを形成します。

フェリチンは、慢性炎症性疾患などにみられる網内系への鉄貯留や、肝炎などの細胞破壊による血中への逸脱などにより上昇します。悪性腫瘍などでフェリチン産生亢進がみられることがありますが、腫瘍マーカーとしての感度、特異度は低いとされています。
基準値:M 18.6~261 F 4.0~64.2 ng/ml
・高値を示す病態:ヘモクロマトーシス、ヘモジデローシス、炎症性疾患、悪性腫瘍、肝炎、心筋梗塞、糖尿病 など
・低値を示す病態:鉄欠乏性貧血、消化器腫瘍、消化器潰瘍、真性多血症、ビタミンC欠乏症、妊娠 など


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