血沈 赤血球沈降速度 臨床検査

2010年06月13日 01:32

血沈 は、赤血球沈降速度のことで、赤沈・ESR・BSGともいわれます。血液に抗凝固剤を混ぜて、一定の条件下で赤血球が沈む速度(沈降速度)を測定することによって、炎症 の有無や 貧血 を推測します。
基準値:M 1時間値15mm(高齢者では20mm) F 1時間値20mm(高齢者では30mm)

血沈値亢進の病態
1)赤血球数の減少
・血液希釈状態
・循環血漿量の増加(妊娠)
・貧血
2)フィブリノーゲン・α-グロブリンの増加
・妊娠
・炎症性疾患(感染症・膠原病活動期・悪性腫瘍など)
・ストレス(大手術・外傷など)
3)免疫グロブリンの増加
・多クローン性増加(肝疾患・慢性感染症・膠原病・悪性腫瘍など)
・単クローン性増加 Bence Jones蛋白を除く(骨髄腫・マクログロブリン血症・良性M蛋白血症など)

血沈値遅延傾向の病態(1時間値が2mm以下)
1)赤血球数の増加
・血液濃縮状態(脱水症)
・多血症
2)フィブリノーゲンの減少
・無フィブリノーゲン血症
・線溶亢進
・DIC
3)免疫グロブリンの減少
・無γ-グロブリン血症(先天性および後天性)


カテゴリ:検査項目 疾患 カ行

次:炎症と炎症マーカー 臨床検査
前:CRP 炎症マーカー 臨床検査 続き

▲トップページへ戻る

Copyright(c) 臨床検査 血液・尿・生体検査でわかること