血清中の鉄は、約1/3がトランスフェリンと結合し、残りの2/3が未結合で存在しており、血清中の鉄が不飽和のトランスフェリンと結合しうる量を不飽和鉄結合能(UIBC)といい、理論上はTIBC=血清鉄+UIBCの量的関係が成り立ちます。
トランスフェリンは、主に肝臓で合成されるので、慢性肝疾患では減少し、尿中等への喪失でも減少します。これに伴いTIBCやUIBCも低下します。
基準値:M 137~317 F 132~374 μg/dl
・高値を示す病態:鉄欠乏状態、急激な肝細胞障害、造血能亢進 など
・低値を示す病態:鉄過剰状態、悪性腫瘍、感染症、造血能低下、肝におけるトランスフェリン生合成低下(肝硬変、慢性肝炎)、腎障害、ネフローゼ症候群(トランスフェリンの尿中への喪失)など
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