TG 中性脂肪 動脈硬化 臨床検査でわかること

2010年05月08日 01:38

皮下脂肪や内臓脂肪など、脂肪組織に蓄えられた体脂肪も 中性脂肪 ですが、血液検査でいう 中性脂肪 は1~3分子の脂肪酸がグリセロールに結合した構造物で、血中では90%以上が、トリグリセライド(TG)という3分子の脂肪酸が1分子のグリセロールに結合した脂肪酸エステルの形で存在しています。食事から得たエネルギーが使い切れずに余ると、肝臓で中性脂肪に合成され脂肪組織に蓄えられます。

一般に血中濃度が400~800mg/dL以上になると 乳び といわれる血清が白く混濁する状態を呈します。また、中性脂肪は、食事の影響を大きく受け、食後は少なくとも数10mg/dLは上昇します。
TGはコレステロール(特にLDL)に次いで動脈硬化の危険因子とされ、またTGが1000mg/dL以上の高値例は急性膵炎を起こしやすいといわれています。
基準値:40~149 mg/dl
高値を示す病態:家族性高リポ蛋白血症、Tangier病、LCAT欠損症、糖尿病、甲状腺機能低下症、下垂体機能低下症、クッシング症候群、急性・慢性膵炎、ネフローゼ症候群、アルコール依存症など
低値を示す病態:無β-リポ蛋白血症、続発性脂質代謝異常(甲状腺機能亢進症、副腎皮質低下症、肝硬変、末期癌など)


カテゴリ:検査項目 疾患 PQRST

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