ASO(anti-streptolysin O)は、咽頭などに存在するグラム陽性球菌、Streptococcus pyogenesの産生する溶血素で、ASO はストレプトリジンO(SLO)に対する抗体価を測定する検査です。本菌を含む溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)に感染すると血清中にこの抗体が増加します。ASO価とは、この毒素中和抗体の力価をいいます。
ASO価は溶連菌感染後約1週間より上昇し、3~5週でピークに達し、3カ月ごろには元の値に戻ります。このため咽頭培養で溶連菌が証明されなくても、ASO価上昇が起こることがあり、またその逆の場合も起こり得ます。また単なる保菌者では上昇はみられませんが、溶連菌感染症のすべてに上昇がみるわけでもありません。感度はおよそ80%といわれています。
基準値:200 以下 IU/ml
・高値を示す病態:溶連菌感染症(リウマチ熱、急性糸球体腎炎、猩紅熱、丹毒、急性扁桃腺炎、血管性紫斑病など)
・非特異的上昇として:ウイルス肝炎、閉塞性黄疸、ネフローゼ症候群、結核など
次:抗体価 抗原抗体反応
前:RF リウマチ因子定量 臨床検査