腸炎ビブリオ の潜伏期間は12時間前後で、主症状は激しい腹痛と、水様性や粘液性の下痢で、まれに血便がみられます。下痢は日に数回から多いときで十数回で、しばしば発熱(37~38℃)や嘔吐、吐き気がみられます。下痢などの主症状は一両日中に軽快し、回復します。高齢者では低血圧、心電図異常などがみられることもあり、死に至った例もあり注意が必要です。
感染性胃腸炎の治療としては対症療法が優先されますが、腸炎ビブリオ では特に抗菌薬治療を行わなくても数日で回復します。ぜん動抑制をするような強力な止瀉薬(ゲリドメ)は、菌の体外排除を遅らせるので使用しません。下痢による脱水症状に対しては輸液を行います。解熱剤は脱水を増悪させることがあり、またニューキノロン薬と併用できないものがあるので、慎重に選択すべきです。病原体の定着阻止を目的に、乳酸菌などの生菌整腸剤を使用。抗菌薬を使用する場合は、ニューキノロン薬あるいはホスホマイシンを3日間投与します。
腸炎ビブリオ食中毒の予防は、原因食品、特に魚介類の低温保存、調理時あるいは調理後の汚染防止が重要です。真水や高温などに弱い菌であるため、生魚を真水でよく洗浄することや、十分に加熱調理することでも感染を予防することが出来ます。
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