アミラーゼ 膵臓炎 臨床検査

2010年05月24日 00:48

アミラーゼ はデンプンを分解しグルコース、マルトースやオリゴ糖を生成する酵素に命名された総称であり、別名ジアスターゼとも呼ばれます。主に膵臓と唾液腺より分泌されますが、膵臓から最も多量に分泌されるので膵障害を調べるための代表的な検査です。

通常血清中と尿中の両方を測定します。両者ともに高値の場合は膵・唾液腺などに病変が存在することが推定されます。これに対して、血中で高値であるのに尿中で低値の場合は、腎機能の低下、もしくは、マクロアミラーゼ 血症のように アミラーゼ が免疫グロブリンなどと結合し、大分子化して尿中に排泄されない病態が考えられます。また、ムンプスウイルス感染による流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)や子宮外妊娠などでも高値を示します。
一般に アミラーゼ値は 膵炎 の病態と必ずしも一致しない場合があります。これは アミラーゼ値 が膵の外分泌細胞の量に依存しており、膵炎の病態が進行し、大規模な膵細胞の損傷がある場合には血中・尿中アミラーゼ値が上昇しないためです。
基準値:40~130 IU/l
高値を示す病態
・血中、尿中とも高値:膵疾患(急性・慢性膵炎、膵癌、膵嚢胞)、セクレチン・コレシストキニンなどの投与、肝障害、耳下腺炎、子宮外妊娠、腸閉塞 など
・血清のみ高値:マクロアミラーゼ血症、腎機能障害、高唾液腺型アミラーゼ血症
低値を示す病態:膵・唾液腺の荒廃による分泌低下、シェーグレン症候群


カテゴリ:検査項目 疾患 ア行

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