総ビリルビン T-Bil 間接ビリルビン 直接ビリルビン

2010年05月07日 01:46

ビリルビン は、主として脾、骨髄などの網内系で、赤血球崩壊によりビリベルジンを経て遊離型ビリルビンとして血中へ放出され、遊離型ビリルビンまたは 間接ビリルビン (Indirect Bilirubin:I-Bil)とよばれます。疎水性のため血中ではアルブミンと結合して肝へ運ばれ、ここでグルクロン酸抱合を受け水溶性の抱合型ビリルビンまたは、 直接ビリルビン (Direct Bilirubin:D-Bil)となって胆汁に入り腸管に排出されます。

さらに ビリルビン は腸内細菌により還元されウロビリノーゲンとなり、その一部は腸管から吸収され再び血中に入ります(腸管循環と呼ばれる)。 ビリルビン の直接型と間接型という名称は、アゾ色素法においてアルコール処理で反応する ビリルビン を間接型、無処理で反応するものを直接型ビリルビンと呼ぶことに由来しています。
基準値:総ビリルビン0.3~1.0mg/dl 直接ビリルビン0.3mg/dl以下 間接ビリルビン0.2~1.0mg/dl
高値を示す病態 
総ビリルビン
1)1~2mg/dl:潜在性黄疸
2)2~10mg/d:軽度黄疸
3)10~20mg/dl:中等度黄疸
4)20mg/dl以上:高度黄疸
間接ビリルビン:各種溶血性疾患、体質性黄疸(Gilbert症候群、Crigler-Najjar症候群)、新生児黄疸
直接ビリルビン: 肝細胞性黄疸、肝内胆汁うっ帯、溶血性貧血、Dubin-Johnson症候群、Rotor型高ビリルビン血症 など

低値を示す病態:小球性低色素性貧血、悪液質 。直接ビリルビンでは低値側の臨床的意義は少ない


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