尿酸は、体内で新陳代謝によって生じる老廃物で、核酸の構成成分であるプリン体が分解されてできます。体内諸組織、特に肝において産生され、主として腎臓より尿中に排泄されます。健常成人の尿中排泄量は一日約0.4~1.2gであり、その量は体内のプリン体代謝を反映しています。
血中尿酸が高値になる原因には、尿酸生成の亢進と排泄の低下があげられます。生成の亢進は食餌由来(食事の総量が多い・大食い)のほか、抗癌剤投与などによる核蛋白の崩壊亢進、プリンヌクレオチド代謝関連酵素異常症による合成促進などがあります。また排泄の低下は、尿細管での分泌障害および再吸収の亢進などがあります。
尿酸値の高い状態が続くと、過剰の尿酸が血液中で結晶化して関節などにたまってきます。この結晶が関節液の中に放出されて、強い炎症を起こした状態が「痛風」です。
基準値:M 3.8~7.0 F 2.5~7.0 mg/dl
高値を示す病態
一次性痛風:特発性高尿酸血症、プリンヌクレオチド代謝関連酵素異常症(HGPRT欠損症、レッシュ・ナイハン症候群)
二次性痛風:尿酸の過剰産生(高プリン体食の過剰摂取、血液疾患、脂質代謝異常など)、尿酸の排泄低下(腎実質障害、Bartter症候群、薬剤など)、尿路結石症(尿酸結石)
低値を示す病態
尿酸合成の低下:キサンチン尿症、肝疾患 など
尿酸の排泄亢進:特発性低尿酸血症(分泌亢進型、再吸収能不全型)、二次性(Fanconi症候群、Wilson病、アルコール中毒症など)、薬剤(アセトヘキサミド、尿酸排泄剤、造影剤など)
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