肝炎とは、ウイルス、アルコール、薬物、自己免疫など、さまざまな原因により肝細胞に対する一種の免疫反応がおこり、その結果、肝細胞が障害を受けて壊死(細胞が死んでしまうこと)した状態をいいます。急性肝炎の数パーセントは非常に激しい経過をとり肝細胞のほとんどが壊死を起こしたものを 劇症肝炎 といいます。
劇症肝炎では意識障害(肝性昏睡・肝性脳症)が生じ、肝臓は萎縮し肝不全を起こすこともまれではありません。原因は不明であることが多いのですが、薬剤やウイルスによるものもあります。劇症肝炎をもたらすウイルスは主にB型で、A型のものはまれです。
診断は、もともと健康な人に、発熱、全身のだるさ、吐き気、食欲不振など急性肝炎と同じ症状が現れ、その後8週間以内に意識障害が見られ、血中の凝固因子の濃度がある値以下になった場合に劇症肝炎と診断します。
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