血液中に認められる糖質には、ブドウ糖・乳糖・五炭糖・果糖・ガラクトースなどがありますが、そのほとんどは ブドウ糖 で、一般に血糖値として測定されるのはブドウ糖(D-グルコース)です。
食物から摂取された糖質は、胃・十二指腸で消化されてブドウ糖になり、小腸から吸収されて肝臓に送られます。肝臓では一部がグリコーゲンとなって蓄えられ、残りはブドウ糖として血液中に放出されます。ブドウ糖は体中を巡りながら、必要に応じて細胞に取り込まれ、脳や筋肉などのエネルギー源として使われます。
経口的に グルコース を投与すると4時間以内に約90%が門脈に入り、その5~10%が肝を通過する際に吸収され、残りは大循環系に入ります。膵ランゲルハンス島β細胞より分泌されたインスリンは、筋肉、肝、脂肪細胞など組織へのグルコースの取り込みを促進して血糖値を下げ、また肝からグルコースの放出を抑制する働きを持っています。このような調節機構が障害され、動的平衡状態のコントロールがきかなくなった場合に低血糖や高血糖が引き起こされます。
>>血糖値 基準値 高値・低値を示す病態<<
次:劇症肝炎 劇症肝炎の診断
前:血糖値 基準値 高値・低値を示す病態