クレアチニンは、筋肉へのエネルギーの供給源であるクレアチンリン酸の代謝産物です。クレアチンは肝や腎で合成され、その大半はクレアチンまたはクレアチンリン酸として筋肉に分布し、クレアチンキナーゼ(CK)が作用すると筋収縮のエネルギーを生じます。一方でクレアチニンはクレアチンから筋肉量に比例(1.5~2%)して転換されて筋外へ放出されます。
クレアチニンは生物学的活性を持たず尿中のみに排泄され、腎機能の低下とともに血中で上昇するため、腎機能の指標に用いられています。
クレアチニン産生量は筋肉総量と比例するため、男性より女性、成人より小児の方が低めの値をとなります。また肥満者では体重に占める筋肉の割合が低いため体重に比べ低値をとなります。
基準値:M 0.61~1.04 F 0.47~0.79 mg/dl
高値を示す病態
GFR(糸球体濾過量)の低下:糸球体腎炎、腎不全、うっ血性心不全
血液濃縮:脱水症、火傷
筋細胞肥大:末端肥大症、巨人症
低値を示す病態
尿中排泄量の増加:尿崩症、妊娠
筋萎縮:筋ジストロフィー、甲状腺疾患
産生障害:肝障害
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