アミラーゼ はデンプンを分解する酵素です。血中の アミラーゼ には分子量約54,000~6万の膵由来のP型と分子量56,000~65,000の唾液腺由来のS型の アイソザイム が存在します。
急性膵炎では発症後24時間以内に血中に急速に P型アミラーゼ が増加し、時間の経過とともに尿中に移行し回復すれば数日で基準値に戻ります。
また、尿中アミラーゼは、血清アミラーゼ値と並行することが多く、血清よりも高値が長く続くため、急性膵炎が疑われ血清アミラーゼの上昇が明らかでない症例や、血清アミラーゼが正常化した後の経過観察に有効です。
基準値:0~60 IU/l
高値を示す病態
・P型の増加:急性膵炎、慢性膵炎再燃時、胆道系の炎症性疾患
・S型の増加:唾液腺炎、腫瘍産生アミラーゼ、術後高アミラーゼ血症、熱傷後 など
低値を示す病態
・P型低値:膵癌(末期)、膵切除(膵頭部十二指腸切除、膵全摘) など
・S型低値:放射線治療後(下顎部、頸部)シェーグレン症候群、唾液腺摘出後 など
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