m-AST m-GOT ミトコンドリア-AST

2010年05月03日 10:04

ミトコンドリア-AST は、ミトコンドリア由来のASTで、通常のASTと異なり壊死を伴う肝細胞障害があるとき血中で上昇します。臓器細胞が障害を受けると通常ASTが上昇しますが、これはs-ASTが逸脱してくるためで、m-AST は障害が肝細胞壊死を伴う状態に進行し、それが細胞内ミトコンドリアにまで及ぶと、血中に出現します。したがって AST と m-AST を測定することにより肝臓の細胞レベルでの病態検索が可能になります。

一般に、健常者では総ALT中に占めるm-ALTの比率は15~30%くらいといわれています。また、アルコール性肝炎においてm-AST/AST比は他の肝疾患に比べ有意に高値を示すといわれています。
基準値:7以下 IU/l
高値を示す病態:劇症肝炎、ウイルス性肝炎、薬剤性肝障害、アルコール性肝炎、慢性肝炎(活動型、非活動型)、肝癌、肝硬変、胆汁うっ滞、閉塞性黄疸
低値を示す病態:低値側の臨床的意義は少ない


カテゴリ:検査項目 疾患 KLNMO

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