HbA1C ヘモグロビンA1C グリコヘモグロビン

2010年05月04日 18:40

血液中のヘモグロビンの中には、ブドウ糖が結合したものがあり、グリコヘモグロビン(糖化ヘモグロビン)と呼ばれます。HbA1Cはこのグリコヘモグロビンの一種で比較的安定しており、血糖値の変化に並行して、その割合がゆっくり増減します。すなわち、ヘモグロビンはいったん糖化されると赤血球寿命(約120日)が尽きるまでその状態を保つため、HbA1Cは過去1~3カ月程度の平均血糖値を反映します。

糖尿病性腎症や網膜症、神経症などの慢性合併症の予防には、長期間の血糖コントロール管理が必要であり、そのためにHbA1Cは最もすぐれた血糖値の長期コントロール指標であるといえます。ただし溶血性貧血のように赤血球寿命が短縮する疾患では、高血糖状態が続いてもHbA1Cが低値になるので注意を要します。また、ヘモグロビン異常症では糖化ヘモグロビンがA1C分画に現れない場合があり、異常低値となります。このような場合にはグリコアルブミンや1.5-AGが長期血糖値の指標の代用になります。
基準値:4.3~5.8%
高値を示す病態:糖尿病の血糖コントロール不良による高血糖、腎不全、慢性アルコール中毒症
低値を示す病態:赤血球寿命の短縮、低血糖症、ヘモグロビン異常症


カテゴリ:検査項目 疾患 FGHIJ

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