che コリンエステラーゼ CHE 肝蔵の機能障害

2010年04月29日 14:55

コリンエステラーゼ che は肝臓で作られる酵素の一つで、コリンエステルをコリンと有機酸に加水分解します。肝蔵で合成され血中に分泌されるため、血清コリンエステラーゼ活性の低下は肝実質細胞の機能障害を反映します。また肝蔵での蛋白合成能を知る指標一つであり、血清アルブミン値低下ともよく相関します。

コリンエステラーゼは、肝疾患以外では全身状態の悪化や栄養障害、外科的手術の侵襲によって低下します。ネフローゼではコリンエステラーゼの分子量が大きく尿中へ漏出しにくいため、アルブミンとは反対に上昇します。有機リン系の農薬やカーバメイト剤、サリンによる中毒では急激な低下を来たし、重症度の指標となります。一方、脂肪肝の場合は高値になります。
基準値:M 234~493 F 200~452 IU/l
高値を示す病態:脂肪肝、急性肝炎回復期、肝細胞癌、ネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症、糖尿病、肥満、高リポ蛋白血症、喘息、遺伝性高コリンエステラーゼ
低値を示す病態:慢性肝炎、肝硬変、劇症肝炎、肝膿瘍、肝癌、膵癌、白血病、有機リン系中毒、血清コリンエステラーゼ異常症、妊娠中毒症、消耗性疾患、栄養失調


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