ALT GPT 肝炎の経過観察 肝硬変

2010年05月03日 10:02

ALT (アラニンアミノトランスフェラーゼ)は一般に GPT とも呼ばれ、ピリドキサールリン酸を補酵素とするアミノ基転移酵素です。肝・腎・心筋などほぼ全ての臓器組織細胞中に含まれていますが、特に肝に多く含まれており、AST(GOT)と比較して他臓器への分布量が少ないため、肝障害に特異的であるといわれています。しかしその値の大小が、必ずしも細胞壊死や肝障害の大きさを反映するものではありません。

ALT は肝炎の経過観察によく用いられます。また、インターフェロン治療などで効果があると、ALT値も鋭敏に低下するので治療効果の指標となります。しかし、肝硬変などで逸脱すべき ALT が残り少なくなるとそれほど高値を示さなくなることがあり軽度上昇にとどまります。
基準値:5~35 IU/l
高値を示す病態:劇症肝炎、ウイルス性肝炎、薬剤性肝障害、アルコール性肝炎、慢性肝炎(活動型、非活動型)、肝癌 肝硬変、胆汁うっ滞、閉塞性黄疸(一般に急性、慢性肝炎ではALTがASTを上回る。また肝硬変、肝癌ではAST上昇の方が優位といわれている)
低値を示す病態:低値側の臨床的意義は少ない


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