エンテロトキシンは黄色ブドウ球菌が食品中で増殖する時に産生する毒素で、エンテロトキシンが産生された食品を喫食すると、約3時間後に激しい嘔吐、疝痛性腹痛、下痢を伴う急激な急性胃腸炎症状を発症します。
エンテロトキシン は分子量27,000前後の単純蛋白質で、トリプシンなどの消化酵素や熱に対して抵抗性があり、抗原性の違いから現在A~L型までが報告されています。食中毒で最も発生件数の多いエンテロトキシン型はA型で、A+B型、A+D型を合わせると、80%以上はA型に関連しています。
また、エンテロトキシンはT細胞を特異的に活性化し、短時間に多種類のサイトカインを大量産生させる作用があり 細菌性スーパー抗原 とも称されています。ヒトでエンテロトキシンによる発症に必要な量は、エンテロトキシンBでは25~50μg と考えられていましたが、加工乳などの事件では200ng以下のエンテロトキシンAで発症していることも報告されています。