アメーバ赤痢・赤痢アメーバ 腹痛下痢を伴う疾患

2010年04月23日 03:41

アメーバ赤痢は寄生性の原生生物である赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica )を経口摂取することによって感染します。
一般的に潜伏期は2~3週ですが、数ヶ月~数年におよぶこともあります。赤痢アメ-バによる大腸炎の症状は、粘血便、下痢、テネスムス(便意があるが排便がない)、排便時の下腹部痛などです。発熱を伴うことはまれで、下痢による発症はゆるやかであり、その程度も粘血を混じた2~3回/日程度のものから、テネスムスを伴い1日に20回以上の粘血便を示すものまで多彩です。

赤痢アメーバはシストの形で口から入り、小腸で脱嚢して栄養型となり、大腸に寄生。その5~10%が大腸上皮細胞を障害され、粘血便をはじめとし、下痢、テネスムス、腹痛などの赤痢様症状(腸管アメーバ症)を起こします。
さらに栄養型は血液を介して肝臓、肺、脳、皮膚などに潰瘍を形成し、重篤な症状を呈します。
アメーバ赤痢の診断は、糞便中の原虫を検出する、内視鏡検査で大腸潰瘍(アフタ様、ヘビタマ様)による粘膜の変化を見るなどがあります。
アメーば赤痢の治療は通常メトロニダゾールの経口投与が選択され、治療効果は高いとされています。また消化管からの吸収が低いフロ酸ジロキサニドやパロモマイシンが併用されます。


カテゴリ:下痢の原因

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