クリプトスポリジウム原虫 腹痛下痢原因

2010年04月04日 04:39

クリプトスポリジウム(Cryptosporidium )は胞子虫類に属する原虫で、ヒトへの感染は主にC. parvum とされるが、DNA解析によってヒト型、ウシ型、トリ型、その他の遺伝子多型を示すことが明らかになっています。エイズ患者ではさらにC. baileyiなど異種の感染も否定できません。クリプトスポリジウムは宿主の腸管上皮細胞の微絨毛に侵入して寄生体胞を形成し、無性生殖によりメロゾイト形成を行います。

健常者:免疫の正常な人が罹患した場合の臨床症状は、下痢(主に水様下痢)、腹痛、倦怠感、食欲低下、悪心などであり、軽度の発熱を伴う例もあります。潜伏期間は3~10日で、大多数の患者は9日以内に発症します。下痢は1日数回程度から20回以上の激しいものまで多様で、数日から2~3週間持続し、自然治癒します。
エイズ患者:免疫不全宿主に重症・難治性・再発性・致死性下痢症を発症させます。下痢は非血性であり、その程度は軟便・泥状から水様便まで様々ですが、免疫不全の進行とともに重症化する傾向があります。重症例では、コレラにみられるような大量の水様便や失禁を伴うことが報告され、このような例では本感染症が直接死因となることがあります。


カテゴリ:下痢の原因

次:甲状腺ホルモン
前:コレラ菌 腹痛下痢 原因

▲トップページへ戻る

Copyright(c) 腹痛下痢げり原因と症状